2010-08-24

『広島に原爆を落とす日』

タイトル的に今回のバッコス出演者は何人か観に行っている、つかこうへい作、筧利夫主演の『広島に原爆を落とす日』を観ました。

1979年初演で、その後つかさん自身はこの作品を封印していたらしく、「幻の舞台」と言われていたのだとか。

その後、1989年、1997年と上演されているようですが、初演を含め、それらの公演では、主役は白系ロシア人の男だったみたいです。

今回のリニューアル版では、主役は広島で生まれ育った朝鮮人の男。
しかも、朝鮮の李氏王朝の王女と、日本の天皇の間に生まれたとほのめかされています。

類い稀な軍人としての才覚と、燃えるような日本国への愛を持ちながら、朝鮮人ということで決して報われない男・犬子恨一郎。

忌まわしき一族として蔑まれ、暗殺・諜報などを行う優秀な特殊工作員に育てられた女・髪百合子。

幼い頃出会い、愛し合い、引き裂かれた2人は、それでも互いを想い合う。

百合子の任務は、ドイツに渡り、病魔に蝕まれたヒトラーをあと3年生き長らえさせ、ドイツに原爆を落とさせるよう仕向けること。

犬子は、日本軍の将校として、勝つために真珠湾攻撃を指揮し、降伏するために戦艦大和を沈め、百合子への愛を貫くため広島に原爆を落とす。

流行りのJーPOPを使った歌とダンスでなされる場面転換、100%のスピードとテンションで維持する美しく膨大な台詞、歴史にフィクションを加えて読み替え、謎解きするように仕立てられた脚本など、作品としてはものすごく好きです。

ただ、戯曲といい、演出といい、演技スタイルといい、シアターコクーンみたいな公共の大劇場でおおっぴらに上演するのは違和感があります。

80年代小劇場演劇が持っていたパワーを、作品としても、役者としても、発揮できていない気がする。

以前に、小さな劇場で、チョウソンハくんと黒木メイサさんが共演した、『熱海殺人事件 ~平壌から来た女刑事~』を観たことがありますが、とても刺激的で面白かったな。
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2017年11月8日(水)〜12日(日)
池袋 シアターKASSAI

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