年の瀬観劇感想前編。
■劇団チョコレートケーキ
『治天ノ君』
大正天皇嘉仁。
明治と昭和に挟まれた短い治世。
脳を患っていたと存世中にも公然と噂された悲劇の帝王。
置き去りにされた人間『大正天皇』の本当の姿とは。
というあらすじ。
以前から観ている好きな劇団さんですが、今回はちょっと薄まっちゃった印象。
前回のヒトラーが素晴らしすぎて期待値が高くなっていた分、評価が辛くなってるかも。
こういう歴史モノは仕方ない部分もあるとはいえ、1人の長い語りでナレーションしちゃう芝居は苦手。
語りのために出てきて、しゃべってはけるというのも気持ち悪い。
王座につづく緋絨毯は皇族しか使えない、という演出でもよかった。
噛めない登場人物ばかりだが、何人か噛んでたのが残念。
あの松本紀保さんと対等に並び立つ西尾友樹さんが流石。
年齢やキャリアに多様性のある役者さんたちをキャスティングできているのが素晴らしい。
■サムゴーギャットモンテイプ
「ストレンジ・ジャーニー」
全体的にやりたいことはわかるけど好みじゃない。
1人だけナチュラルに英語で会話してて、誰も突っ込まないキャラクターがいて、家族なのに言葉が通じないという、表現している意味はわかるけど、そこにいたるドラマが希薄な気がする。
後半の母とのシーンより以前に、もっと匂わせてほしかった。
■カムヰヤッセン
『新説・とりかへばや物語』
和服ものはどうしても気になっちゃう衣装。
いや、話に飲み込まれることができずに、衣装ばかりが気になったまま終わった。
男の子の着物の丈が短い。
うちもいつも悩む、「170センチ以上の男物がない」問題。解決できず。
偉い人が着物の上に袿のようにもう一枚着物を羽織るという謎のコーディネートやっちゃうなら、商人もはしょったりすればよかった。
あと、商人の子供がなんで袴だったのかがわからなかった。早替えのため?父親の衣装とのバランスが悪い。
女の子は着付け。
着物の裾が短い。足袋と着物の間の肌が見えちゃうのは・・・。
女の子はせめて、合わせとおはしょりと裾だけはちゃんとしてほしい。
あと所作。衣装は生き方。
和服を着るなら和服の生き方をしてほしい。
破天荒キャラなら、そのキャラなりの和服での生き方を見せてほしい。
自分が何度も和服の芝居をしてるから厳しくなってるのはわかるけど、やはり演出意図のない汚さは、洋服でも和服でもダメだと思うのですよ。
あと、話に飲み込まれることができなかった大きな理由は、現代日常会話ではない、膨大な台詞を維持できてる役者さんがいなかったこと。
言葉をめぐる言葉を語るには、技術か経験か、何か足りない。
噺家の芝居は荷が重い。
■劇団競泳水着
『Romantic Love?』
女と男と恋愛のお話。
2月の『Girls, be a mother』の参考になるなぁと観ながら、あれこれ考えてました。
舞台上からの情報量がそんなに多くないから、良くも悪くも観てる側に隙間だったり余地だったりができちゃう。
女子がクリスマスに1人で観るにはちょうどいいかもしれない(笑)
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